福島県のシンボルの一つである磐梯山は、明治21年(1888年)に大爆発し、その時の岩石泥土が、吾妻連峰から流れ出る川や沢をせき止めて、裏磐梯高原を形成し、桧原湖、小野川湖、秋元湖の3つの大きな湖もできました。また、この爆発で押し出された泥流の窪地に水が溜められ、数多くの小さな湖や沼が生まれました。

 これらの湖沼の中には、毘沙門沼に代表される五色沼群をはじめ、水に含まれる化学成分や水深などにより独特の色や性質を持つものがたくさんあります。裏磐梯高原は、磐梯山や猪苗代湖とともに磐梯朝日国立公園の中心的な観光地・スキー場として親しまれており、また、裏磐梯高原を形成する湖沼群は、自然探勝や保養、キャンプ、釣り等の観光レクレーションの場となっているほか、内水面漁場や水力発電用水としても利用されています。

裏磐梯湖沼群の主な湖沼の緒元

桧原湖 小野川湖 秋元湖 曽原湖 毘沙門沼
成因 桧原湖:堰止湖 小野川湖:堰止湖 秋元湖:堰止湖 曽原湖:堰止湖 毘沙門沼:その他
湖沼型 桧原湖:中栄養 小野川湖:中栄養 秋元湖:中栄養 曽原湖:中栄養 毘沙門沼:酸栄養
湖沼標高(m) 桧原湖:822 小野川湖:797 秋元湖:736 曽原湖:830 毘沙門沼:770
面 積(km2) 桧原湖:10.4 小野川湖:1.4 秋元湖:3.9 曽原湖:0.35 毘沙門沼:0.15
湖岸延長(km) 桧原湖:32.0 小野川湖:9.8 秋元湖:19.9 曽原湖:3.5 毘沙門沼:2.8
湖容積(百万立方m) 桧原湖:127.6 小野川湖:11.8 秋元湖:32.8 曽原湖:1.8 毘沙門沼:0.5
最大水深(m) 桧原湖:30.5 小野川湖:22.0 秋元湖:33.2 曽原湖:12.0 毘沙門沼:13.0
平均水深(m) 桧原湖:12.0 小野川湖:7.9 秋元湖:12.8 曽原湖:5.1 毘沙門沼:3.3
流域面積(km2) 桧原湖:106.4 小野川湖:40.5 秋元湖:112.2 曽原湖:2.9 毘沙門沼:2.5
滞留時間(日) 桧原湖:300 小野川湖:17 秋元湖:27 曽原湖:190 毘沙門沼:59
環境基準の類型指定 桧原湖:A-ロ
Ⅱ-イ
小野川湖: A-ロ
Ⅱ-イ
秋元湖: A-ロ
Ⅱ-イ
曽原湖: A-ロ
毘沙門沼: A-ロ

*毘沙門沼はpHを除く。全窒素は当分の間適用しない.。
(類型指定については、豆知識を参照ください)